皆さん、こんにちは!映画と読書が生きがい、日々ナースとしてバタバタ奮闘中のエリです♪
今日はですね、伊坂幸太郎さんの長編小説『ペッパーズ・ゴースト』をネタバレありで全力レビューしていきます!読後感がじわじわくる…というか、“ああ、これぞ伊坂ワールド!”って何度も声に出したくなるような一冊でした!
《総評》
「ペッパーズ・ゴースト」(伊坂幸太郎 著) 評価:90点/100点
集大成的で伊坂作品ファンにはたまらない内容!ただし、初めて伊坂作品に触れる方にはちょっとクセ強めかもしれないので、最初の一冊にはもう少しスッキリ系の『重力ピエロ』や『ゴールデンスランバー』を推したい気持ちでマイナス2点(笑)。
でもでも!「伊坂幸太郎の世界観にどっぷり浸かりたい!」って方にはこれ以上ない濃厚な一冊です。
《感想》※ネタバレあり
この作品では、まず大前提として、作者本人も「得意パターン全部乗せ」と語っている通り、伊坂ファンにはおなじみの“アレもコレも”がたっぷり詰まってます。ちょっとした特殊能力、複数視点、過去の事件とのリンク、少し斜めから見た正義。そして何より、“現実と虚構が溶け合うような曖昧さ”が全体を包んでいて、まるで読者自身が幽霊になったかのようなふわっとした読後感…これがたまらない!
物語の主軸は、未来が見えてしまうという“先行上映”能力を持った中学国語教師・檀千郷。これがまた伊坂さんらしいんですよ。「人のくしゃみ(飛沫)を浴びると、その人の未来が映像で見える」って、設定だけ聞くとちょっとおもしろいけど、読めばすぐにその能力の“重さ”がわかります。
檀先生、見たくない未来も見えてしまう。そのせいで生まれる罪悪感や無力感と向き合い続ける姿は、もう泣けるレベル。特に後半、サークルメンバーの“とある事件”に巻き込まれる流れで、彼の中で“この力をどう使うか”がテーマになってくるのも胸アツでした。
その一方で、伊坂作品といえばやっぱり“飄々としたダークヒーロー”!今回は鞠子ちゃんの自作小説内に登場する、ネコ虐待者を懲らしめるコンビ「ロシアンブル」と「アメショー」が最高に伊坂節。心配性のロシアンブルと楽天的なアメショー、このコンビに“蜜柑と檸檬”(byマリアビートル)を重ねた人、私だけじゃないはず(笑)!
しかも本作、そこに“カフェ・ダイヤモンド事件”という過去の人質立てこもり事件と、その被害者遺族たちによるサークルという要素が加わってきます。被害者遺族たちが“正義”のために立ち上がるという展開に、読みながらハラハラするし、思わず「やめて…!」って心の中で叫んじゃいました。
この物語がすごいのは、檀先生、小説の中のロシアンブル&アメショー、そして遺族のサークルメンバー、まったく関係ないように見えた三者が、物語の中で見事に交錯し、ひとつの大きな“うねり”になっていくところ。あの瞬間の収束感は伊坂作品ならではの美しさでした!
そしてそして、副テーマとして登場するのが、あの哲学者・ニーチェの“永遠回帰”思想。何度も繰り返される人生、果たしてそれを受け入れられるか?…これ、事件の被害者遺族の“虚無”とリンクしていて、めちゃくちゃ深いんですよ。伊坂作品の“軽妙さ”の中に、こういう“重さ”が潜んでいるところ、ほんと好き。
ちなみにタイトルの『ペッパーズ・ゴースト』、これは舞台装置の名前で「そこに存在してないはずなのに、存在して見えるもの」という意味を持ってます。まさに本作の核心。現実か虚構か、正義か復讐か、生者か幽霊か…その境目があやふやになったときに生まれる“悲劇”と“再生”が、本作の肝なんです。
現実と虚構の狭間で、あなたも“幽霊”になってみませんか?
それでは皆さん、次回のレビューでまたお会いしましょう!エリでした♪




この記事へのコメントはありません。